眠る女性

短時間睡眠に慣れればショートスリーパーになれる?

ショートスリーパーとは?

時間に追われているときには、「もっと睡眠時間が短ければいいのに」と思うことがあるかもしれません。

ほとんどの人間は、7時間以下の睡眠になると健康にさまざまな悪影響が出てしまいます。また、日中に強い眠気を感じたり、頭がぼんやりして生産性が落ちるなど、日中の活動にも影響が現れます。

一方、体質的に、6時間未満の睡眠でも健康を害さず、日中の活動にも影響なく過ごせる人々がいます。彼らは短時間睡眠者(ショートスリーパー)と呼ばれています。

努力すればショートスリーパーになれる?

ビジネスマンにとって、ショートスリーパーは夢のような能力と言えるでしょう。朝早くに起きられたら、自分の能力をさらに高める時間に充てられるからです。

しかし、残念ながら人間は睡眠不足に体を慣らすことができず、努力を重ねてもショートスリーパーにはなれないことが分かっています。なぜなら、ショートスリーパーになれるかどうかは、突然変異した特定の遺伝子を持っているかどうかで決まるからです。つまり、ショートスリーパーは先天的な体質でなるものであり、あとから睡眠時間を削っても意味がない、ということが明らかになっています。また、1日10時間以上の睡眠を必要とするロングスリーパーも同様に、遺伝子的な要素が大きく関わっています。

後天的にショートスリーパーを目指すリスク

睡眠不足は、心臓病、高血圧、うつ病のリスクを高めることで知られています。また、日中のパフォーマンスを著しく下げますが、睡眠不足が慢性化すると、日中の眠気を感じにくくなっていきます。このことから、ショートスリーパーのトレーニングに成功したと勘違いしてしまいがちですが、実際は睡眠不足のまま。また、慢性的な睡眠不足によって認知能力が落ちても、本人はそれに気づきにくいため、ショートスリーパーになれたと勘違いしたまま、仕事の効率がどんどん下がっていくリスクもあります。

自分に合った睡眠時間を探そう

睡眠の体質は生まれつき決まっており、あとから努力で変えることはできません。

一般的に、人間には8〜9割は、7〜9時間の睡眠が必要で、バリュアブルスリーパー(中間睡眠者)と呼ばれています。ショートスリーパーとロングスリーパーの中間にいることから、この名前がついています。

最低でも7時間は眠らないと、自覚的であれ無自覚であれ、睡眠不足が続きます。「ショートスリーパーはデキる人が多い」といわれることもありますが、睡眠が体質に依存することを考えると、正しいとは言えません。もちろん、眠り過ぎもよくはないのですが、睡眠時間を削るのはもっと避けるべき行為です。

周りに流されず、ストレスを避けることも、睡眠の質を向上させるための大切な要素。むしろ睡眠を取ったほうがパフォーマンスが上がるのだと割り切って、自分にあった睡眠時間を模索してみてください。