面談

「了解」?「承知」?敬語の正しい使い方

目上の人に「了解」は失礼?

ここ最近ネットを中心に話題になったこととして「了解」と「承知」という言葉遣いがあります。

もともとはビジネス関連のマナーコンサルタントが言い出したことであるようですが、2013年ころから少しずつネットの上では「目上の人に【了解】を使うのは間違い」といった言説がまことしやかに出回るようになっていきました。

しかしこの話がネットで広がる前までは、特に気にすることなく「了解」を社内での連絡用語として使用していたという人も多かったようで、中には「そんなこと聞いたことがない」というような中年以降の会社員の人もいたようです。

ちなみにこの「了解」「承知」議論はいつから始まったものかを調査した人もおり、今のところ最も古い記事で2005年くらいには始まっていたとされています。

このことから最近ではNHKの番組でどちらが正しいかということを取り上げることもあり、結論として「了解がマナー違反とされはじめたのはここ10年くらい」ということになりました。

結論を言うと、これまでは「了解」という言い方であっても特に問題ではないとされてきた場面であっても、後からマナー違反という言説が流れ出るようになったことにより、今では「了解」を使用することがマナー違反になったということです。

納得できない人もいるかもしれませんが、世の中の流れが言葉の意味を変えたという一つの事例と言えるかもしれません。

「承知いたしました」で統一するのが無難

現在多くの人の見解としてあるのが「目上の人や取引先に対して【了解】はダメで、代わりに【承知いたしました】を使うべき」というものです。

ただし「承知」という言葉ならそれでいいのかということですが、言語学者の中には「承知」という言葉もまた敬語表現としては不適当とする人もおり、実際のところ絶対的に何が正しいかということは決められないというのが実態です。

しかしながらここまで「了解NG説」が有名となってしまった現在では、いくら言葉が本来的に正しいとしてもそれを使うことで周囲から「ビジネスマナーを知らない人だ」と思われてしまう可能性が高くなってしまいます。

ですのでここしばらくはあまり余計に突っ張らず、上司への連絡や取引先への通知においては「承知いたしました」「かしこまりました」などといった言い方をしておくのが無難なやりかたといえます。

それ以外にも間違いがちな言葉がたくさんあります

了解・承知ばかりが有名になっていますが、それ以前からも間違いやすいビジネス用語というのは数多く伝えられてきました。

知らずに多くの人が使ってしまいがちなものとして「ありがとうございます」という言葉があります。

参考>>最近気になる放送用語|「ありがとうございます」?

これは比較的若い人がやりがちな間違いのようですが、上司や取引先から何かを依頼されたときに「承知しました」といった言葉ではなく「ありがとうございます」を使用するケースがあるのだといいます。

どこからこうした言い方が発生したかということは興味深い点ですが、居酒屋などでも注文を受けた店員に「ありがとうございます」という返事を徹底するところもあるくらいなので、そこから自然発生的に始められていったことなのかもしれません。

他にも「とんでもありません」は間違いで「とんでもないことでございます」が正しいといったことのように、些細なことながら自然に間違ってしまっている言葉の使い道も多いので、あまり自己流で敬語を使用せずきちんとビジネスマナー本を読むなど基本を身に着けるようにしていきたいところですね。